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君と四度目の学園祭/スニーカー文庫 感想 

カテゴリ:ライトノベル感想

君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)

このままの
関係が
続けばいい。


そう思ってた──。
ここから先は読んでみた感想です。ネタバレありです。


最初は綺麗な純愛物だと思っていたわけですが、内容は『時間巻き戻し系』の純愛物です。
ヒロインの新都久遠は「一日に一度だけ」時間を巻き戻すことができるという特別な力を持っています。
この時点で軽くファンタジーに足を踏み入れてるし、中盤以降からは割りと超展開が続く。

最初に能力を使い、運命を狂わせるキッカケとなったのは、
クラスの出し物に久遠が想いを寄せている男子――刻谷結羽太が立候補したところから始まる。
その出し物はラブストーリー物の劇。そして、ヒロイン役には親友の大橋花火が選ばれる。
ただ、それだけ。しかし、久遠にとっては重要なことだった。

──結羽太くんは花火ちゃんのことが好きなのではないか?

そんな想いが久遠に特別な力を使わせる。そして、それは後に悲劇の連鎖へと繋がることになる。

特別な力を使い、結羽太くんが立候補するタイミングで久遠もヒロイン役として立候補。
それで終わるはずだった。それから数週間が経った頃、結羽太は突然の交通事故で亡くなってしまう
もちろん、力を使って結羽太が死なないように立ち回る久遠だが、死の運命を変えたことによって、世界の修正力が結羽太を死の運命へと導こうとする。

そこら辺はよくあるお約束的な展開。運命は簡単には変えられないんだよ、ってこと。
ちょっと真面目に、現実的に、運命をちょっとした会話で変えたからといって、本当にそんなことが起きるだろうか。
まあ、SFってことで解決しますが。

そこから、何回か結羽太は死ぬ。その度に久遠は時間を巻き戻し、助ける。
その過程で別の人が、親友が、友達が、代わりに死んでいく。
――ついに、久遠までもが死んでしまう。
その時の記憶はうまく思い出せず、死の原因がわからないことに。
そして、その死がやってくる。体育館が燃えたのだ。原因不明の発火によって。

で、ここからが本当に超展開。

久遠の親友である春秋冬夏はるあきとうかは久遠の協力者で、未来から来た人物で、
結婚した結羽太久遠能力を応用し、作った薬で人生最大の分岐点にまで飛んできた未来人
まさかの展開に、少し驚き。たぶんですが、この冬夏は二人の子供――それも長女なのではないだろうか。
弟を溺愛していると、発言しているし二人の子供が二人以上いるのは確実。
まあ、この推測は検討違いかもしれないけど。

久遠はその薬を使って、最大の分岐点。生まれた直後からやり直すことに。
しかし、隣の家の幼馴染だった結羽太はやって来ず、結羽太には別の幼馴染が。
……そのまま、運命を変えることはできずに未来は確定しようとした時。

書き換える記憶が消える前に、結羽太は久遠を見つけ、次は俺がと言って薬を服用する。
過去に戻った結羽太が今までのルートを辿って、二人は学園祭を経て両思いのカップルに。
その世界では、花火に片思いしていた須賀三月も想いを伝えてカップルになっている世界。

という感じで、本作はおしまい。

文章も読みやすく、描写も小難しくなくて面白かった。
ストーリー構成も超展開に面食らったものの、非常に綺麗な出来だと思います。他の人のことは知りませんが。
最初、冬夏が黒幕で運命を操ってるとか変な疑いを持っていましたが、そんなことはなかった。
まあ、時間巻き戻しとか過去に戻れる薬とかあったんだし、冬夏が黒幕でもおかしくない気もする。
……もしかして、私の感性が歪んでいるんでしょうか。そこら辺、作者の天音マサキ先生に聞いてみたい。

それにしても、さ。主人公の結羽太くん鈍感過ぎないか?
これが幼馴染特有の近くて遠いってやつだろうか。まあ、私も幼馴染が好意を寄せてるとか考えたこともないし、もしかしたら普通なのかもしれない。ぐぬぬ……恋愛経験の差がここにまで……。

個人的評価:★★★★☆
オススメ度:★★★

君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)
天音 マサキ
KADOKAWA (2017-06-01)
売り上げランキング: 252,732


たぶん、単発物。……たぶん。
もし、続きがあったら買います。
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関連タグ:恋愛ファンタジースニーカー文庫天音マサキやすも

テーマ : ライトノベル ジャンル : 小説・文学

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